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もしもの前に知っておきたい「がん」の話

がん検診の基本─定期的に検診を受けよう

  • Vol.02
  • 2026.09.28

「毎年、健康診断を受けているから、がん検診も受けている」そう思っていませんか。

健康診断は、血圧や血糖値、脂質、肝機能などを調べ、生活習慣病をはじめとする体の異常を確認するものです。一方、がん検診は、症状のない人を対象に、特定のがんを早期に見つけ、適切な治療につなげることを目的としています。職場の定期健康診断や特定健康診査を受けただけでは、必ずしもがん検診を受けたことにはなりません。

がんの中には、初期には自覚症状がほとんどないものがあります。がん検診の役割は、症状が現れる前にがんを見つけることです。

すでに血便、長引くせき、血たん、乳房のしこり、月経以外の出血、食事がつかえる感じなどがある場合は、検診を待たずに医療機関を受診しましょう。
主要ながん検診を知ろう

国は胃がん、大腸がん、肺がん、乳がん、子宮頸がんの検診を推奨しています。対象年齢や受診間隔に沿って、定期的に受けることが大切です。子宮頸がんと大腸がんは検診でがんになる前の病変を見つけてることができます。また、早期発見できれば80~90%以上治るがんもあることが分かっています。

胃がん検診

胃がん検診は原則として50歳以上が対象で、2年に1回受けることを推奨しています。主な検査は、バリウムを飲んで胃の形や粘膜を撮影する胃部エックス線検査と、口や鼻から内視鏡を入れて胃の中を観察する胃内視鏡検査です。どちらを受けられるかは、自治体や検診機関の実施方法によって異なります。

なお、胃部エックス線検査については、40歳以上を対象として1年に1回実施する方法も認められています。案内に記載された対象年齢と受診間隔を確認し、検診を受けましょう。
大腸がん検診

大腸がん検診は40歳以上が対象で、1年に1回受けることを推奨しています。一般的な検査は便潜血検査です。2日分の便を採取し、便に目では確認できない微量の血液が混じっていないかを調べます。

便潜血検査で「陽性」と判定された場合、全大腸内視鏡検査、大腸のエックス線検査と大腸内視鏡検査の併用、大腸CT検査といった精密検査を受けます。
 
 
肺がん検診

肺がん検診は40歳以上が対象で、1年に1回受けることを推奨しています。胸部エックス線検査を行います。

「要精密検査」と判定された場合、胸部CT検査で病変が疑われた部分をより詳しく調べます。

 
 
乳がん検診

乳がん検診は40歳以上が対象で、2年に1回受けることを推奨しています。主な検査はマンモグラフィです。乳房を専用の装置で挟み、エックス線で撮影します。乳房を挟む際に痛みを感じることがありますが、乳がんによる死亡を減らす効果が確認されている検査ですので、痛みを恐れずに受けましょう。視診・触診のみの検診は推奨されていません。

乳房のしこりやひきつれ、乳首から血の混じった液が出るなどの変化がある場合は、早急に乳腺を専門とする医療機関を受診しましょう。
 
 
子宮頸がん検診

子宮頸がん検診は細胞診による検診は20歳以上が対象で、2年に1回受けることを推奨しています。問診や視診、内診に加え、子宮の入り口を専用の器具でこすって細胞を採取し、異常な細胞がないかを調べます。

また、一定の要件を満たす自治体では、30歳以上を対象に、ヒトパピローマウイルス検査、いわゆるHPV検査を単独で行う方法が導入されています。HPV検査単独法の受診間隔は原則5年に1回ですが、結果によっては1年後の検査が必要です。
どこで受けられる?

がん検診は、市区町村が行う住民検診のほか、勤務先や加入している健康保険組合が実施する職域検診などで受けられます。対象年齢、費用、申し込み方法、実施する検査はそれぞれ異なります。

まずは勤務先や健康保険組合から届く案内を確認しましょう。職場で対象となる検診を受けられない場合は、お住まいの市区町村のホームページやがん検診の担当窓口で調べることができます。
多く受ければ安心とは限らない

がん検診には早期発見につながる利益がある一方、実際にはがんがあるのに見つけられない「偽陰性」、がんがないのに疑いがあると判定される「偽陽性」、命に影響しないがんを発見する「過剰診断」、内視鏡検査による出血や放射線被ばくなど体への負担もあります。

そのため、検査は受ければ受けるほど良いわけではありません。自分の年齢に合った検診を、適切な間隔で受けましょう。

「要精密検査」をそのままにしない

検診結果が「要精密検査」でも、がんと診断されたわけではありません。しかし、詳しく調べなければ、がんがあるかどうかは分かりません。「症状がないから」と放置せず、必ず精密検査を受けましょう。精密検査まで受けて、一連のがん検診が完了します。

PET-CT検査という選択肢

PET-CT検査は、薬剤の集まり方を画像にするPET検査と、体内の位置や形を確認するCT検査を組み合わせたものです。

ただし、PET-CT検査だけで全てのがんを確実に見つけられるわけではなく、国が推奨する5つのがん検診とは位置付けが異なります。受診を検討するときは、検査で分かることや限界、体への負担、費用について説明を受け、自分の年齢や健康状態に合わせて考えましょう。
 

がん検診は、一度受ければ終わりではありません。まずは手元に届いている検診の案内を開き、自分がどの検診の対象なのか、前回はいつ受けたのかを確認することから始めてみませんか。

 

 

 

参考

厚生労働省.“がん検診”.厚生労働省.https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000059490.html,(参照2026-09-28).

国立がん研究センター.“がん検診について”.がん情報サービス.https://ganjoho.jp/public/pre_scr/screening/about_scr01.html,(参照2026-09-28).

 

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