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vol.8 繰り返す肌荒れ・かゆみ─原因は「体の内側」かも? 漢方専門医が教える肌の整え方

2026.08.13

洛和会音羽リハビリテーション病院 副病院長で漢方専門医の山崎武俊がおすすめの漢方薬をご紹介する「山崎先生の漢方ラジオ外来出張版」。今回のテーマは肌荒れ。肌のかゆみです。

肌の痒みや乾燥、繰り返す肌荒れに悩む女性は少なくありません。表面的なスキンケアだけでなく、体の内側からケアすることが重要です。

今回は肌荒れを根本から解消する漢方薬、対策方法をご紹介します。

 

肌の状態は全身の健康状態、特に女性特有のバイオリズムや生活習慣と深く結びついています。主に「血(けつ)の不足」「余分な熱の蓄積」というこの二つが肌荒れを引き起こします。

女性の体は、生理によって毎月出血を伴います。失った血を補うために体は常に「血」を作っていますが、その作業が追いつかなくなると、漢方でいう「血虚(けっきょ)」、つまり血が不足した貧血のような状態に陥ります 漢方において「血」は全身に栄養を運ぶ重要な役割を担っています。血が不足すると、生命維持に直接関わる臓器が優先され、末端である髪や肌への供給は後回しにされてしまいます。その結果、肌が栄養不足になり、乾燥やかゆみとして現れるのです
 
もう一つの大きな原因は、甘いものの摂り過ぎなどによる食生活の乱れです。甘いものは体に元気をもたらす一方で、過剰に摂取すると体内にエネルギーが余り、それが「熱」となって蓄積されます 体はこの余分な熱を排泄物として外に出そうとしますが、処理しきれなくなると、最終的に肌から放出しようとします。これが湿疹や蕁麻疹、痒みといった症状となって現れるのです
 
肌荒れにおすすめの漢方薬

肌荒れの治療で最もよく処方するのが「四物湯(しもつとう)」です。

四物湯は、その名の通り以下の4つの重要な生薬から構成されています。
 

・地黄(じおう): 強壮作用が強く、組織の修復を早め、ホルモンバランスを整える働きがあります

・当帰(とうき): 血流を改善し、栄養を隅々まで届けます。多くの婦人科系漢方薬に含まれる重要な生薬です

・芍薬(しゃくやく): 筋肉の緊張を和らげ、血を補います。

・川芎(せんきゅう): 血の巡りをスムーズにします。

これらの生薬の働きにより、不足した「血」を補われ、組織の再生を促します。
 
実は四物湯は他の漢方薬と組み合わせて使われることが多いです。
例えば生理前のイライラによく処方する加味逍遥散に四物湯を加えると、イライラだけでなくホルモンバランスの乱れを落ち着かせます。
 
立ちくらみやめまいに効く苓桂朮甘湯に四物湯を加えると連珠飲(れんじゅいん)という処方になり、ほてりやのぼせの症状にも効果を発揮します。
 
このように、その人のメインの悩みに合わせた漢方薬に四物湯を加えることで、根本的な体調を整えつつ、不足している「血」を補って肌がきれいになるのです。
 
 
肌にかゆみがある場合は当帰飲子(とうきいんし)や十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)などのかゆみを抑える漢方薬を処方します。
 
肌が乾燥してかゆい場合は、当帰飲子をおすすめします。実はこの当帰飲子にも四物湯の成分が含まれていて、乾燥した肌にうるおいを与え、かゆみを落ち着かせます。
 
じんましんや赤みを伴う湿疹がある場合は十味敗毒湯が良いでしょう。患部の熱や水分を発散し、肌の炎症を抑えます。
 
 
生活習慣の見直しを

肌荒れの治療は生活習慣の見直しも大切です。特に大切なのが睡眠です。睡眠はホルモンバランスを整える最大の薬。せめて今より30分長く寝る意識を持つだけでも、疲れの溜まり方が変わり、肌への良い影響が期待できます

肌を美しくするには、まず自分の体質や生活習慣を見つめ直すことが大切です。
それでもどうにもならないときは漢方の力を借りて「内側から輝く肌」を目指しましょう。
 

※症状や体質には個人差があります。気になる症状がある方、治療中の方は、自己判断せず医師または薬剤師にご相談ください。

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