そのお薬、本当に大丈夫?─薬剤師に聞く 服薬で気を付けるポイント
2026.08.12
「薬を毎日忘れずに飲んでいるから大丈夫。」
そう思っていませんか?夏は脱水や熱中症が増える季節です。
実は、普段飲んでいる薬が脱水症状と関係したり、体調によって薬の効き方が変わったりすることがあります。
薬は病気を治す心強い味方ですが、正しく使わなければ思わぬリスクにつながることもあります。
今回は洛和会音羽病院の薬剤師が、薬との上手な付き合い方や、お薬手帳の活用法、夏に気を付けたいポイントについて解説します。
「薬」は体に良いもの? 実は"異物"でもあります
「くすり」という言葉は、「奇(くす)し」(意味:奇妙な、不思議な)という言葉が由来ともいわれています。
病気を治したり、症状を和らげたりする不思議な力を持つ薬ですが、その正体は化学物質です。
つまり、私たちの体にとっては"異物"でもあります。
そのため薬には
病気を治す・症状を改善する「主作用」と本来の目的に望ましくない「副作用」の両方があります。
また、年齢や体調などによって薬の効き方が変わることもあるため、「薬だから安全」というわけではありません。
薬は正しく使ってこそ、本来の効果を発揮します。
正しく使うと、病気を治したり、体に足りない成分を補充するといった薬本来の効果を発揮します。
しかし、期待した効果が得られないこともあります。
原因として多いのは、
- 飲み忘れ
- 自己判断で薬を中止する
- 飲む時間や量を間違える
- 他の薬との飲み合わせ
などです。
例えば、「症状が落ち着いたからもう薬は必要ない」と自己判断で中止してしまう人がいます。
しかし、多くの場合は薬を飲み続けているから症状が安定しているのであり、勝手に中止すると再び悪化する恐れがあります。
薬について不安がある場合は、自分で判断せず医師や薬剤師へ相談しましょう。
薬が増えてきた…それ「ポリファーマシー」かもしれません
年齢を重ねると、複数の病気を抱える人が増えてきます。それに伴って薬の種類も増えます。
ここで知っておきたいのが“ポリファーマシー”です。
ポリファーマシーとは薬が多いことで副作用や飲み忘れ、飲み間違いなどの問題が起きている状態を指します。
薬が増えるとこのポリファーマシーに陥る可能性が高くなります。
しかし、「薬が多いから減らしたい」と思っても、自己判断で中止するのは危険です。必要な薬までやめてしまうと病気が悪化することがあります。薬を減らせるかどうかは、必ず医師や薬剤師に相談しましょう。
お薬手帳を活用しましょう!
お薬手帳は、薬局でもらったシールを貼るだけのものではありません。
上手に使えば、自分専用のカルテになります。お薬手帳の活用方法をご紹介します。
電子処方せんでさらに安心
電子処方せんとはこれまで紙で発行していた処方せんを電子化したもの。
お薬情報をデータ化し、病院と薬局がいつでも正確な薬の情報を把握できます。もちろん、ご自身で内容を確認することも可能です。
飲み合わせの確認がより正確になり、薬の重複処方を防ぎやすくなるメリットがあります。
今後さらに利用が広がることが期待されています。
夏は要注意!薬と脱水の関係
高齢者は若い人に比べて体内の水分量が少なく、夏になると脱水症をおこしやすくなります。
そんな時にぜひ知っておきたいのが、薬と脱水の関係です。
そもそも脱水症とは体内の水分やナトリウムなどの電解質が不足し、体液のバランスが崩れた状態をいいます。
- 利尿薬
- SGLT2阻害薬
- 下剤
などは、服用することで脱水を起こしやすくなる場合があります。
一方で、脱水状態のまま飲み続けると注意が必要な薬もあります。
例えば、
- 非ステロイド性抗炎症薬
- 糖尿病治療薬
などです。
服薬中に体調が悪くなった場合を想定して、医師や薬剤師に事前に相談しておきましょう。
もし脱水症になった場合はすぐにかかりつけの病院・薬局へ連絡しましょう。
お薬と上手に付き合いましょう
薬は病気を治すための大切な存在ですが、使い方を間違えると思わぬ副作用やトラブルにつながることがあります。
特に夏は脱水の影響で薬のリスクが高まる季節です。
「薬が増えてきた」「最近飲みにくい」「体調が変わった」と感じたら、一人で悩まず医師や薬剤師に相談しましょう。
薬を正しく理解し、上手に付き合うことが、健康に長く過ごすための第一歩です。
監修
長谷川 広樹
参考
“電子処方せん(国民向け)”.厚生労働省.https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/denshishohousen_kokumin.html
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