その鼻水、風邪じゃないかも? 梅雨の時期に気を付けたいアレルギーの話
2026.07.07
「くしゃみが止まらない」「鼻がムズムズする」「目がかゆい」
春の花粉シーズンが終わったのに、こんな症状に悩まされていませんか?
実は梅雨の時期にも、アレルギー症状が悪化することがあります。花粉が少ない季節だからと油断していると、思わぬ原因が身の回りに潜んでいるかもしれません。
梅雨にアレルギーが増えるのはなぜ?
梅雨は湿度が高くなる季節です。この環境を好むのが、ダニやカビです。
ダニそのものやフン、死骸はアレルギーの原因(アレルゲン)となります。また、浴室やエアコン、寝具などに発生したカビも、アレルギー症状を引き起こすことがあります。
また、梅雨時期は窓を閉め切ることが増え、室内の湿度も上昇しやすいため、ダニやカビが繁殖しやすい環境になってしまいます。
ダニによるアレルギーは、主にダニの糞や死骸(ハウスダスト)を吸い込むことで引き起こされます。くしゃみや鼻水などの鼻炎症状、目のかゆみのほか、気管支喘息やアトピー性皮膚炎の悪化原因となることが特徴です。
エアコンのカビは、アレルギー性鼻炎や喘息などの症状を悪化させる重大な原因です。胞子を吸い込むことで、夏型過敏性肺炎やアレルギー性鼻炎、気管支喘息などを引き起こす恐れがあります。主な症状には、長引く咳、くしゃみ、鼻水、さらには発熱や息苦しさが含まれます。
いずれも健康被害を引き起こすため、速やかに対策をとり、医療機関を受診しましょう。
ダニ・カビが引き起こす主な病気と症状
ダニやカビによるアレルギーでは、次のような症状がみられます。
上記に加え、カビでは肺炎を引き起こすこともあります。
夏型過敏性肺炎:特定のカビ(トリコスポロンなど)を繰り返し吸い込むことで肺が炎症を起こし、息切れ、体重減少、乾いた咳や38度前後の発熱を繰り返します。
家庭でできるアレルギー対策
室内の湿度を下げる
ダニやカビは高温多湿を好みます。
ダニ・カビは「温度20~30℃」「湿度60~80%」で増殖し、ダニはさらに「エサ(フケ・アカ・食べかす)が豊富」の3条件が揃った場所で繁殖するため、室内の湿度は50〜60%程度を目安に保ちましょう。
除湿機やエアコンの除湿機能を活用するのも効果的です。
エアコンのカビを予防する
- 送風運転:冷房や除湿の使用後は、内部を乾燥させるために「内部クリーン機能」を使うか、1時間ほど送風運転を行ってカビの繁殖を防ぎます。
- フィルター掃除:2週間〜1ヶ月に1回を目安にフィルターを外し、掃除機でホコリを吸い取って水洗いします。
- 専門業者への依頼:吹き出し口に黒い点が見えたり、カビ臭い異臭がする場合は、自分で除去するのは困難なため、専門のクリーニング業者に依頼するのが確実です。
寝具を清潔に保つ
ダニは熱に弱く、50度なら30分、60度なら一瞬で死滅します 。
- 布団乾燥機:ダニモード(高温)でしっかり布団を温めます。
- コインランドリーの乾燥機:熱風乾燥によりダニを確実に退治できます。
- 天日干し:黒い布やカバーを掛けて干すと、内部の温度が上がり効果的です。
死骸とフンを「吸い取る」
ダニを退治した後は、掃除機でアレルギーの原因を吸い取ります。
- ゆっくりかける:掃除機は1平方メートルあたり1〜2分かけて、ゆっくり動かすのがコツです。
- 布団を叩かない:布団を強く叩くと、ダニの死骸やフンが細かく砕かれて表面に出てきてしまい、吸い込みやすくなるためNGです。
- 洗濯物は乾燥機へ:シーツやカバーは、水洗いだけでダニを完全に取り除くのは難しいため、洗濯後に乾燥機(50度以上)にかけるのが理想的です 。
ダニが好む住居環境。ぬいぐるみや家具の裏側も注意。(参考:鳥居薬局株式会社 https://www.torii-alg.jp/rhinitis/kind.html)
症状が続く場合は受診を
2週間以上続く咳や鼻水は風邪ではなくダニやカビなどのアレルギーの可能性があります。お近くの耳鼻咽喉科・呼吸器科などで、血液検査によるアレルギー抗原検査を受けることをおすすめします。
学会が推奨するダニの根本治療
アレルゲンを完全に避けることが難しい場合、日本アレルギー学会などが発行するガイドラインでは、アレルゲンに体を慣らして体質改善を図る「アレルゲン免疫療法(舌下免疫療法:SLIT)」が標準治療として推奨されています。 数年間にわたり毎日少量の治療薬を舌の下に投与し、症状を長期間抑える(または寛解させる)治療法です。 保険適用が可能で、月々のお薬代は約2,000円〜3,000円が目安です(別途初診料や検査費用がかかります)。
さいごに
梅雨の時期は花粉の季節が終わったあとだからこそ、アレルギーへの警戒が薄れがちです。しかし、ダニやカビはこの時期に活発になり、鼻炎や喘息などの原因になることがあります。
「毎年この時期になると鼻の調子が悪い」「風邪がなかなか治らない」と感じている方は、アレルギーの可能性も考えてみましょう。
快適に梅雨を過ごすためにも、まずは身の回りの湿気対策から始めてみませんか。
監修
相木 ひとみ
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