後回しにしてませんか?40代からの健診
特定健診って結局何を調べるの? 真理子さんが受診券を読み解くまで
- Vol.02
- 2026.07.24
家族のこと、仕事のこと、日々の生活のこと。気づけば自分の体のことを後回しにしていた、42歳の真理子さん。
棚の端に置いたままだった健診の案内をようやく開きました。封筒から出てきた書類を眺めていると、ふと疑問が浮かびます。「特定健診って、普通の健康診断と何が違うの?」
「夫は会社で健診を受けているけれど、扶養に入っている私も対象?」
「いったい、何を調べるんだろう」
必要だとは思っていても、仕組みが分からないと、また書類を元に戻したくなります。
今回は、少し難しそうに見える「特定健診」について、真理子さんと一緒に確認していきます。
※この記事に登場する人物・エピソードは、取材設計用に構成したモデルケースです。
※制度に関する記述は、公的情報に基づいています。
夫は会社で健診。扶養に入っている私は?
真理子さんの夫は毎年、勤務先で実施される健康診断を受けています。決められた日に健診の予定が組まれており、結果も後日、職場を通じて受け取ります。その様子を見てきた真理子さんは、どこかで「健診は会社に勤めている人が受けるもの」と思っていました。
けれど、40~74歳の医療保険加入者を対象に行われる特定健診は、会社員本人だけのものではありません。加入している健康保険の被扶養者も対象です。協会けんぽに加入している人の家族で、被扶養者となっている40~74歳の人も、年度内に1回、健診費用の補助を受けて特定健診を受診できます。
「働いていないから、健診を受ける機会がない」
「夫の扶養に入っているから、自分は対象外」
そう思っていた真理子さんにも、健康状態を確認するための仕組みが用意されていたのです。
「特定」と付くのは、何を見る健診?
特定健診の正式名称は、「特定健康診査」です。生活習慣病の予防を目的として、メタボリックシンドローム、いわゆる内臓脂肪症候群に着目した検査を行うものです。
「メタボ健診」と聞くと、体重やおなか周りだけを調べるように感じるかもしれません。しかし、実際には腹囲だけでなく、血圧や血糖、脂質、肝機能など、生活習慣病につながるさまざまなリスクをチェックします。生活習慣病の中には、自覚症状がほとんどないまま進行するものがあります。
「どこも痛くないから大丈夫」
「普段通りに生活できているから問題ない」
そう感じていても、体の中では少しずつ変化が起きているかもしれません。
特定健診は、すでに病気だと感じている人だけが受けるものではなく、症状のない段階から自分の状態を知るための健診なのです。
特定健診では、何を調べる?
特定健診の基本的な検査項目には、次のようなものがあります。
問診・診察
現在の体調や治療中の病気、服用している薬、飲酒・喫煙、運動などの生活習慣を確認します。
身体計測
身長、体重、腹囲を測り、身長と体重からBMIを算出します。体重だけでなく、内臓脂肪が蓄積している可能性も確認します。
血圧測定
血圧が高い状態が続くと、血管や心臓に負担がかかります。高血圧は自覚症状が出にくいため、数値で確認することが大切です。
血中脂質検査
中性脂肪やHDLコレステロール、LDLコレステロールなどを測定します。脂質の異常は、動脈硬化につながる可能性があります。
血糖検査
空腹時血糖やHbA1cなどを調べ、糖尿病につながるリスクを確認します。
肝機能検査
AST、ALT、γ-GTなどを測定し、肝臓の状態を確認します。肝臓は不調があっても症状を感じにくい臓器の一つです。
尿検査
尿に糖やたんぱくが含まれていないかを調べ、糖尿病や腎臓、尿路などの異常につながる兆候を確認します。
真理子さんは、書類に並ぶ検査項目だけを見ても、何を調べるのかよく分かりませんでした。 けれど、一つずつ意味を知ると、どれも40代から気にしておきたい体の状態とつながっていることが分かります。
特定健診だけで、全ての病気が分かるわけではない
ここで、少し注意しておきたいことがあります。特定健診は、全身のあらゆる病気を一度に調べる検査ではありません。生活習慣病につながるリスクを確認することが、主な目的です。
乳がん、子宮頸がん、大腸がんなどを調べるがん検診とは、目的や検査内容が異なります。
また、より詳しく体の状態をチェックしたい場合は、検査項目の多い健康診断や人間ドックの受診を検討するとよいでしょう。「特定健診を受ければ、ほかの検診は受けなくてよい」ということではなく、それぞれの目的を知り、年齢や体調に合わせて組み合わせていくことが大切です。
真理子さんも、これまで「健診」という一つの言葉でまとめて考えていました。けれど、特定健診は生活習慣病、がん検診は特定のがん、人間ドックはより幅広い検査と、少しずつ役割が違います。違いが分かると、自分が何を受ければよいのかも考えやすくなりました。
健診を受けるには、まず何を確認すればいい?
特定健診を受けるときは、まず加入している健康保険から届く案内や受診券を確認します。
一般的には、次のような流れで受診します。
1.手元の案内や受診券を確認する
2.受診できる健診機関を探す
京都市で特定健診が受けられる医療機関はここで確認できます。
https://www.city.kyoto.lg.jp/hokenfukushi/page/0000296697.html
3.健診機関へ予約する
4.受診券や資格確認に必要なものを準備する
5.食事など、受診前の注意事項を確認する
6.予約した日に健診を受ける
※自己負担額や必要な持ち物、予約方法は、健診機関や受診方法によって異なります。
まずは届いた書類に書かれている内容を確認し、分からないことがあれば、加入している健康保険や希望する健診機関に問い合わせてみましょう。
真理子さんは、案内に書かれている健診機関の一覧を眺めました。
自宅から通いやすい場所、買い物のついでに行けそうな場所、女性が受診しやすそうな場所…
「受けなければ」と考えていたときには重く感じていた健診も、「どこなら行きやすいだろう」と考えると、少しだけ具体的になってきました。
知らなかったのではなく、難しそうに見えていただけ
「特定健康診査」は、堅苦しく、受けるまでのハードルが高いと思いがちですが、一つずつ確認してみると、体の状態を知るための、身近な健診であることが分かります。
扶養に入っている人も対象になること、血圧や血糖、脂質などを調べること、結果を、これからの暮らしに生かせること。
真理子さんは、もう一度受診券を手に取りました。
まだ予約はしていません。
それでも、「自分には関係がない」と思っていたときより、健診はずっと近くに感じられていました。
まずは、自分が対象かを確認する。次に、受けられる場所を探してみる。行動は、そのくらいの小さな一歩からでも始められます。
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