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洛和会音羽病院 消化器がんの早期発見へ

2026.08.17

出典:国立がん研究センター がん情報サービス「最新がん統計」 (人口動態統計がん死亡データ、2024 年)

日本では、がんによる死亡者数が依然として多く、2024年には約38万4千人ががんで亡くなっています。部位別に見ると、男性では肺がんが1位、続いて大腸がん、胃がん、膵臓がん、肝臓がんとなっており、女性では1位が大腸がん、続いて肺がん、膵臓がん、乳がん、胃がんの順となっており、消化器領域のがんが上位を占めています。

胆膵疾患から消化管がんまで、専門性を生かした診断と治療

胆道がんや膵臓がん、消化管がんは、早期には自覚症状が少なく、発見が遅れやすい疾患です。一方で、画像検査や内視鏡検査の進歩により、小さな病変を見つけ、体への負担を抑えた低侵襲な治療につなぐことが可能になってきました。洛和会音羽病院 消化器内科では、胆膵疾患の精密検査から消化管がんの内視鏡治療まで、専門性を生かした診療体制を整え、地域の患者さんにより質の高い医療を提供できるよう取り組んでいます。

初期症状に乏しい胆膵疾患

洛和会音羽病院 消化器内科
医長 兼 胆膵センター センター長
山本 嘉太郎(やまもと よしたろう)

代表的な胆膵疾患として、胆道がん、胆管炎・胆のう炎、膵臓がん、膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)、慢性・急性膵炎があります。悪性疾患である胆道・膵臓がんは近年増加傾向ですが、初期は自覚症状が乏しく発見時には進行していることも少なくありません。早期発見のためには、定期的な画像フォローが重要です。

小さな所見を手がかりに、早期診断へ

当院では、腹部超音波(エコー)検査やCT・MRIで異常を認めた症例、膵酵素異常、胆道系酵素上昇、原因不明の腹痛や体重減少など、わずかな所見の段階から精密検査を行っています。特に超音波内視鏡(EUS)は、胆道や膵臓を高精度に観察できる検査であり、小さな腫瘍や微細な変化の検出に有用です。さらに必要に応じて超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS-FNA)を施行し、迅速細胞診(ROSE)を併用し、その結果に基づいて診断から治療まで速やかに対応しています。

  • EUSスコープと穿刺針

  • EUS下で膵腫瘍を穿刺(EUS-FNA)

  • 病理組織検査 (膵臓がんの診断)

チームで行う内視鏡検査・治療

迅速細胞診(ROSE)の様子

急性胆嚢炎に対して内視鏡的経乳頭的胆嚢ドレナージ術(ETGBD)

閉塞性黄疸や胆管炎を伴う症例には、内視鏡的逆行性胆道膵管造影( E R C P )による胆道ドレナージ・ステント留置などの減黄処置を速やかに行い、全身状態の改善や次の治療への橋渡しを行っています。緊急対応が必要な症例についても、可能な限り迅速な受け入れに努めています。

肝門部胆管がんによる閉塞性黄疸に対して複数(3本)の胆管ステントを留置

経過観察の精度を高める超音波内視鏡

IPMNや慢性膵炎は、経過観察中の悪性化リスク評価が重要です。当院では膵実質内の微細な病変、のう嚢胞径の変化、壁在結節へきざいけっせつ、主膵管拡張などを丁寧に評価し、EUSを活用した精密検査により、手術適応や経過観察方針の判断を支援しています。かかりつけ医で胆道・膵臓疾患が疑われた際は当院にて検査・治療が可能です。

消化管がんは、早期発見が治療の可能性を広げる

洛和会音羽病院 消化器内科
医長
荻田 和幸(おぎた かずゆき)

 

クラッチカッター

当院の内視鏡センターでは、オリンパス社の最新の内視鏡システムやスコープ( E V I S X 1を3台、GIF-XZ1200を3本)を所有しており、消化管がんの早期発見に力を入れています。消化管がんは早期がんの段階で発見されれば、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)や内視鏡的粘膜切除術(EMR)などの内視鏡治療により治癒を目指すことが可能です。

確実な切除を目指して

EMRでは、スネアと呼ばれる金属の輪を用いて、病変を周囲から絞った後に通電して切除します。しかし、病変の大きさや形状により一括切除が難しいことがあり、分割切除となることがあります。病変が分割切除になると、のちに病変が再発するリスクがあります。EMRにより確実に一括切除することが困難な場合には、ESDを選択します。

消化器がん診療の充実に向けて

洛和会音羽病院 消化器内科 
部長 病院長特別顧問(消化器内科担当)兼務
飯沼 昌二(いいぬま しょうじ)

がんで亡くなる方の48%が消化器のがんで亡くなっております。このようにがん診療において消化器内科は大きな役割を担っています。消化器内科では取り扱う臓器が多く、それぞれの診断・治療には専門性が必要ですが、本年4月に医師を増員し、その専門性を発揮できるようになってきました。まだまだ十分ではありませんが、患者さんのニーズにお応えできるように尽力してまいります。

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