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子どもの食物アレルギー 安全に食べることを目指して

2026.09.01

卵を食べたらブツブツ…「アレルギーかも?」と思ったら

離乳食が始まる生後5カ月ごろから、卵や牛乳、小麦、大豆など、子どもが初めて口にする食品は少しずつ増えていきます。その中で、食べた後に口のまわりに発疹が出たり、吐いたり、せきや「ゼーゼー」とした呼吸が見られたりすることがあります。こうした症状は、食物アレルギーによって起きている可能性があります。 食物アレルギーが疑われる場合は、自己判断で食品を除去し続けるのではなく、まず小児科へ相談することが大切です。 

食物アレルギーでは、食べた後にさまざまな症状が現れることがあります。

  • 皮膚症状:口のまわりの発疹、ブツブツなど
  • 消化器症状:嘔吐など
  • 呼吸器症状:せき、ゼーゼーとした呼吸など

小児科では、どの食品をどのくらい食べたのか、食べてからどれくらいで症状が出たのかなどを確認する問診や全身の診察、必要に応じて血液検査などを行い、診断につなげていきます。

アレルギーだから全部食べない、とは限らない

乳幼児期の食物アレルギーでは、卵、牛乳、小麦、大豆などは、成長とともに食べられるようになることがあります。一方、そばやナッツ類、甲殻類、魚などは、食べられるようになりにくいとされています。食物アレルギーの治療で大切なのが、必要最低限の食品除去です。 

 血液検査でアレルギー反応が陽性だったとしても、それだけで「その食品を一切食べてはいけない」と決まるわけではありません。実際にどのくらいの量なら食べられるのかを確認し、安全に食べられる範囲が分かれば、その量を継続して食べていくことも治療の選択肢になります。ただし、家庭で自己判断して試すのは危険です。食べる量や進め方は、必ず医師と相談して決めます。 

「どこまで食べられる?」を調べる食物経口負荷試験

「どのくらいなら食べられるのか分からない」 「また症状が出るのが怖くて、食べさせられない」  
そんなとき、判断材料の一つとなるのが食物経口負荷試験です。 食物経口負荷試験では、医師の見守りのもと、原因と考えられる食品を少量から実際に食べ、どのくらいの量で、どのような症状が現れるのかを確認します。 

 試験によって、「食べられる範囲」が分かることも大きなポイントです。その結果をもとに、その後の食事の進め方を医師と相談していきます。 

洛和会音羽病院の一例では、午前9時30分に入院し、午前10時30分から1g、2g、5gと段階的に食べ、合計8gに挑戦。経過に問題がなければ午後1時30分ごろに退院する流れとなっています。 負荷試験では症状が出ることもあります。重い症状が出た場合には、1泊入院となることがあります。試験を行うかどうかや食べる量については、事前の外来診察で一人ひとりの状態に合わせて相談します。 

食物アレルギーと一緒に考えたい「肌」のこと

子どものアレルギーを考えるうえでは、皮膚の状態にも目を向けることが大切です。 乳児期にはアトピー性皮膚炎や食物アレルギーが見られ、その後、気管支ぜん息やアレルギー性鼻炎など、年齢とともに異なるアレルギー疾患が現れることがあります。こうした経過は「アレルギーマーチ」と呼ばれます。 

 食物アレルギーの予防という観点からも、乳児期から皮膚を良い状態に保つことの大切さが示されています。毎日の洗浄と保湿を行い、湿疹がある場合は早めに医療機関を受診し、必要に応じて適切な外用薬を使用します。 

 塗り薬は、量も重要です。軟膏やクリームの場合、「1FTU(フィンガーチップユニット)」と呼ばれる、大人の人差し指の先から第一関節まで薬を出した量がおよそ0.5g。この量が大人の手のひら約2枚分の面積に塗る量の目安とされています。 

食べることを怖がらないために

 食物アレルギーがあると、保護者にとって「食べさせないこと」が最も安全に感じられることもあります。しかし、大切なのは、必要以上に避けることではなく、その子が安全に食べられる範囲を知ることです。 症状の出方や食べられる量は、一人ひとり異なります。心配な症状があったときや、離乳食の進め方に迷ったときは、家庭だけで判断せず、小児科に相談しながら進めていきましょう。 

洛和会音羽病院 小児科  

医師 長松 有衣子 

専門・資格 

日本小児科学会専門医 
日本アレルギー学会専門医 
日本周産期・新生児医学会周産期(新生児)専門医 
新生児蘇生法専門コースインストラクター 
日本新生児成育医学会フォローアップ認定医 
出生前コンサルト小児科医 
子どもの心相談医 
産業医ディプロマ 

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