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胸のレントゲン(エックス線)で何が分かる?

2026.10.09

 健康診断などで受ける機会の多い「胸のレントゲン」。医師はその1枚の画像から、肺をはじめ胸の中に異常がないかを確認しています。今回は、胸のレントゲン(エックス線)で何が分かるのか、洛和会音羽病院 呼吸器内科の小倉由莉医師の解説をもとに、初めての方にも分かりやすく紹介します。 

そもそも胸のレントゲン(エックス線)は何を見ている?

 一般に「レントゲン」と呼ばれているのが、エックス線検査です。胸部エックス線検査では、エックス線を体に当て、胸の中を一枚の画像として写します。肺は、黒っぽく、骨や心臓などは白く写ります。医師は、肺や心臓、骨などの位置や形、画像の濃淡を見ながら、異常がないかを確認します。画像の左右は、患者さんと向かい合うように見るため、画像の左側に患者さんの右側の肺が写ります。こうして画像全体を見ながら、普段とは違う影や白くなっている部分がないかを確認しています。 

白い影があると病気?

 胸部エックス線画像で、通常とは違う白い影が見つかることがあります。こうした影をきっかけに見つかる病気として、肺炎、間質性肺炎、肺がんのなどがあります。 

 肺炎では、肺の一部が白く写ることがあります。また、間質性肺炎では、左右の肺に「もやもや」とした淡い影が見られることがあります。間質性肺炎は、次第に肺が硬くなっていく病気です。 肺がんは、肺の中に丸い影が見えたり、小さな影が複数見つかったりすることがあります。ただし、レントゲンの影だけですべての病気を診断できるわけではありません。異常が見つかった場合は、その影が何なのかをさらに詳しく調べます。

 症状や胸部エックス線検査画像に応じて、CT検査や呼吸機能検査など、必要な検査へ進みます。 胸部エックス線画像は、胸の中を正面から見た平面の画像です。心臓や骨、血管などと影が重なり、異常が分かりにくいこともあります。そこで、肺の中をより詳しく調べるためにCT検査を行うことがあります。 

CTは体を「輪切り」にして詳しく見る検査

 CT検査では、体を輪切りにしたような画像を何枚も撮影します。胸部エックス線画像が1枚の平面画像なのに対し、CTでは肺の中をより詳しく確認できます。胸部エックス線画像では「何となく影があるように見える」という場合でも、CTでは影の位置や形、数などがより分かりやすくなります。すべての人が最初からCT検査を受けるわけではなく、症状や胸部エックス線画像の結果などから必要と判断された場合に行います。 

症状がなくても見つかる

 肺がんは、症状がない状態で見つかることもあります。この60代の方も、肺がんによる症状はなく、別の検査をきっかけに病気が見つかりました。肺の病気があっても、必ずしも咳や息苦しさなどの症状が出るとは限りません。症状がなくても、健康診断や別の検査をきっかけに、肺の異常を見つかることがあります。 

 健康診断の胸部エックス線検査で、「要再検査」「要精密検査」などと判定されることがあります。これは「病気が確定した」という意味ではなく、もう少し詳しく調べる必要があるというサインです。必要に応じてCT検査などを行い、胸部エックス線画像に写っていた影が何なのかを確認します。結果に記載された指示に従って、医療機関を受診しましょう。 

健診のレントゲンを「撮って終わり」にしない

 胸部エックス線検査は、健康診断でも行われる身近な検査です。大切なのは、検査を受けて終わりにせず、
 結果を確認する→ 必要であれば医療機関を受診することです。 しばらく健康診断を受けていない方は、この機会に受診の予定を確認してみてください。また、咳や息苦しさなど気になる症状がある場合は、次の健康診断を待たずに医療機関へ相談しましょう。 

洛和会音羽病院 呼吸器内科
小倉 由莉(おぐら ゆり)

日本内科学会総合内科専門医/認定内科医
日本呼吸器学会呼吸器専門医

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