親の介護、何から始める?
住み慣れた家で、自分らしく
- Vol.03
- 2026.07.23
「できる」を増やし、「安心」を支える。京都のサービス活用術
介護が必要になった場合、要介護認定を受けられてから、実際のサービス利用開始となります。でも、「デイサービスって何をするの?」「家に手すりをつけるだけで本当に楽になる?」と疑問に思う方も多いはず。第3回は、山科や宇治エリアで多くの在宅生活を支えてきたケアマネジャーの知見をもとに、サービスを「お世話」ではなく「暮らしを豊かにする見方」として使いこなすコツを探ります。
何を使うかより、どう暮らしたいか。
介護保険のサービスは驚くほど多種多様です。どれを使うか迷ったときは、サービス名を見る前に、「いま家で何に困っているか」「これからどう過ごしたいか」を考えてみましょう。例えば、「本当は一人でお風呂に入りたいけれど、ふらつきが怖くて諦めている」という方がいたとします。この場合、単にお風呂を入れてもらう(訪問入浴)だけでなく、浴室に手すりをつけたり、滑りにくいマットを敷いたりする(福祉用具・住宅改修)ことで、「自分の力で入る」という喜びを取り戻せるかもしれません。
人の手を借りることに抵抗を感じる方は少なくありません。だからこそ、まずは手すりの設置や段差の解消など、ご本人が自分の力で動きやすい環境を整えることが大切です。住宅改修や福祉用具の活用によって、できることを無理なく続けやすくなります。
また、よくあるお悩みが「本人がサービスを拒否する」というケースです。「知らない人が家に来るのは嫌だ」「デイサービスなんて年寄りが行くところだ」という声は少なくありません。しかし、デイサービスは今やリハビリ特化型から趣味を楽しめる場所まで様々です。「趣味を活かせる場所」を探すことで、最初は拒否していた方が楽しく通えるようになることもあります。
在宅介護を続けるためには、ご本人の希望だけでなく、ご家族の暮らしを守ることも大切です。
家族だけで抱え込まず、介護サービスや福祉用具、住宅改修などを上手に組み合わせることで、住み慣れた家での暮らしを続けやすくなります。
その中でも、早めに考えておきたいのが、手すりの設置や段差の解消といった住まいの環境づくりです。ケアマネジャーの嶋澤香織さんは、住宅改修について次のように話します。
ケアマネジャー 嶋澤香織 さん:住宅改修をご提案すると、「まだそこまでしなくても…」という声をいただくことがあります。「まだ早いかな」と感じる時期だからこそ、小さな備えが大きな安心につながります。手すり一本が、住み慣れた家での暮らしをそっと支えてくれます。
居宅介護支援事業所宇治ケアマネジャー 嶋澤香織さん
Q:手すりの設置で、生活が変わった事例を教えてください。
ケアマネジャー 嶋澤香織 さん:例えば、足腰が弱くなり、玄関の上がり框やトイレの立ち座りに不安を感じていた方がいました。手すりを設置したことで、ご自身で安全に立ち上がれるようになり、「家族を呼ばなくても大丈夫になった」と笑顔が増えました。また、転ぶことへの不安が減ったことで、家の中を動く機会も増え、これまでの生活を続ける自信にもつながりました。
京都市山科区・宇治市エリアで活動するケアマネジャーへの聞き取りをもとに、よくある悩みから利用できるサービスを逆引きできる図にまとめました。ご本人やご家族の状況と照らし合わせながら、ご覧ください。
暮らしの「逆引き」便利表
嶋澤さんも、段差の高い玄関に手すりを提案したり、趣味を活かせるデイサービスを一緒に探したりと、ご本人の「自立」と「楽しみ」を支える調整を大切にしています。サービスは単なる「お世話」ではなく、住み慣れた家での暮らしを続けるための「心強い味方」です。
ご自身の困りごとと同じような項目がなければ、ぜひそのままケアマネジャーに伝えてみてください。「やりたいこと」をプロに相談することで、あなたのご家庭にぴったりの「暮らしの設計図」が動き始めます。
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