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親の介護、何から始める?

「何から始めればいい?」迷わないための介護ガイド

  • Vol.02
  • 2026.07.23

「主治医から介護保険の申請を勧められたけれど、まずはどこへ行けばいいの?」「ケアマネジャーって、どうやって探すの?」。

いざ介護の手続きを始めようとすると、聞き慣れない言葉の多さに足が止まってしまうことがあります。

連載第2回は、スムーズに支援を受けるための「基本の地図」を整理します。複雑に見える手続きも、一つひとつのステップを知れば、明日からの行動が変わります。

サービスを受けるための第一歩=要介護認定とは?

介護のスタートラインに立ったとき、最初にぶつかる壁は「仕組みが分からない」という不安です。実際に宇治市などで相談を受けているケアマネジャーの飯尾由矩さんのもとには、「主治医に勧められたけれど、進め方が全く分からない」「まずは担当者をつけないといけないと言われたけれど、どうすればいいの?」といった切実な声が届いています。

居宅介護支援事業所宇治 ケアマネジャー 飯尾由矩

まず覚えておきたいのは、最初の窓口です。山科区や宇治市の地域には、高齢者の暮らしを支える「高齢サポート(地域包括支援センター)」があります。いわば介護の総合案内所。市役所の窓口まで行かなくても、お住まいの地域のセンターへ電話や訪問で相談することから全てが始まります。

次に必要なのが「要介護認定」の申請です。

これは、その方にどの程度のサポートが必要かを判断する仕組みです。要介護認定を受けることで、今の状態や必要な支援の度合いが整理され、介護保険サービスを考えるための「現在地」が見えてきます。

「杖を借りたい」「リハビリを始めたい」といった希望があっても、 要介護認定を受けないと具体的な話が進められないというケースは少なくありません。 そして、認定が下りた後に心強い味方となるのが「ケアマネジャー」です。ケアマネジャーは、ご本人やご家族の希望を聞き取り、どのサービスを組み合わせるのがベストかを一緒に考える、いわば「チームの監督」です。ケアマネジャー歴6年の飯尾由矩さんも、自宅に帰りたいと願うご本人やそのご家族のために、介護プランを整えるなど、生活に寄り添った調整を日々行っています。

ケマネジャー決定までのステップ

ケアマネジャー飯尾由矩さん:急にご家族や身近な人に介護が必要な状況に直面した場合、「何から始めていいか分からない」と立ち止まってしまうのは、とても自然なことです。私たちは、今の状況をお伺いし、その「分からない」を整理し、必要な手続きのお手伝いをしたり、ご本人やご家族の希望に合ったサービスを一緒に考えたりするためにいます。例えば、どんなデイサービスがあるのか、サービスを受けるために費用はいくらかかるのかといった具体的な不安も、一つひとつ一緒に解決していきます。介護の相談は、特別な準備ができてから行うものではありません。少しでも不安を感じたときは、まず相談していただくことが大切です。

Q. ご家族は、どのような悩みから相談を始めることが多いですか?

「最近物忘れが増えて心配」「一人での生活が不安になってきた」「退院後の生活をどうしたらよいか分からない」「介護する家族の負担が大きくなってきた」など、さまざまな悩みから相談が始まります。

その中でも、介護保険の利用を検討する際に重要となるのが、認定結果を決めるために必要な認定調査です。

認定調査3つのポイント
  1. 本人の話をまずは最後まで聞く
    ご本人が「歩ける」と言った際、すぐに「嘘でしょ」と遮ると、本人の安心感が損なわれ、調査そのものが苦痛な時間になってしまいます。調査中はご本人の意思と表明をまずは尊重し、最後まで話を聞いてあげてください。
  2. 普段の様子を調査員へ伝える

    夜間の様子や最近の変化、その場では分かりにくい困りごとについては、あらかじめメモにまとめておくと伝えやすくなります。認定調査では、その瞬間の様子だけでなく、普段の生活でどのような支援が必要かを把握することが大切です。調査の場面と普段の様子との違いも重要な情報の一つになります。

  3. 事前に相談する

    ご本人が遠慮をしたり、頑張ってしまったりする傾向がある場合は、事前に地域包括支援センターや担当者へ伝えておくことも一つの方法です。本人が安心して話せる環境を整えることで、普段の生活状況をより正確に伝えやすくなります。

介護保険の申請窓口へ行く前に、以下の3点を揃えておくだけで、その後の手続きやケアマネジャーとの相談が驚くほどスムーズになります。

1.「ピンク色の封筒」(介護保険被保険者証の確認)

65歳以上の方には、自治体からピンク色の「介護保険被保険者証」が郵送されています。いざ申請という時に「どこに置いたか分からない」と慌ててしまうケースも多いため、まずはご実家やご本人の書類入れを確認してみましょう。もし紛失していても窓口で再発行の手続きが可能ですが、手元にあると申請がスムーズです。

2.「主治医」の情報を控えておく

申請書には、かかりつけ医の「氏名」「医療機関名」「電話番号」を記入する欄があります。自治体は、申請を受けた後に主治医へ「意見書」の作成を依頼します。ヒアリング事例でも「主治医から申請を勧められた」という声が多いように、医療との連携は介護のスタートに欠かせません。診察券を一枚預かっておくか、スマホで写真を撮っておくだけでも十分な準備になります。

3.「どう暮らしたいか」を書く

手続きだけでなく、本人や家族が「どうなりたいか」を言語化しておくことが大切です。

  • 「ふらつきがあって危ないから、杖を借りたい」
  • 「また一人で近所のスーパーまで買い物に行けるようになりたい」
  • 「家族に迷惑をかけず、できるだけ今の家で暮らし続けたい」こうした具体的な「希望」や「困りごと」のメモがあれば、ケアマネジャーが、あなたにぴったりのプランを提案しやすくなります。

介護の手続きは、一人で完結させるものではありません。
「窓口(高齢サポート/地域包括支援センター)」「現在地(要介護認定)」「案内役(ケアマネジャー)」。この3つが揃うことで、今の状況を整理し、これから使える支援や選択肢が少しずつ見えてきます。

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