乳がん 疑いありと診断されたら、どうしたらいい!?
2026.05.14
乳がんは、日本で年間9万人以上が罹患し、女性がかかるがんの中で最も罹患率の高いがんです。40代以上で増加し、女性の8人に1人が罹患するといわれていますが、早期発見と適切な治療により高い確率で完治が期待できます。当院では、総合病院である利点を生かし、 形成外科や放射線治療科、腫瘍内科と協力をして、整容性に優れた治療に取り組んでいます。
まずは精密検査の結果から治療方針を立てる
乳がんは乳腺に発生するがんで、しこり、乳房のくぼみ、乳頭からの分泌物やただれ、左右非対称な形などが主な症状ですが、初期は無症状のことも多く、乳がん検診での早期発見が重要です。検診などで疑わしい病変が見つかり、悪性の疑いがある場合は、細胞診や組織診によって病変を採取し、病理検査で確定します。
確定診断後、MRI、PET-CT検査などで、がんの転移(広がり)の有無を調べ、その進行度により、ステージ0期~Ⅳ期に分けられます。また、患者さんのホルモンの感受性や遺伝子の型などにより治療法が異なるため、それらのステージとタイプに合わせて治療方針を立てます。
当院では、遺伝子検査も積極的に実施しており、再発リスクに対して早期に対応できる体制を整えています。そして、治療前には、妊よう性温存について患者さんの要望を必ず確認しています。
乳がんは乳腺を構成している小葉と乳管の上皮細胞から発生し、初期は小葉や乳管内にとどまっていますが、やがてこれらを包んでいる膜を破り、乳腺内の周囲の組織に広がっていきます。がん細胞が乳管内にとどまっているものを「非浸潤がん」、乳管の外に出たものを「浸潤がん」といいます。
がんの状態・進行度に合わせて治療法を選択
乳がんの治療には、手術療法、放射線治療、薬物療法がありますが、手術によってがんを取りきることが基本となります。大きく2つに分けて「乳房温存手術」と「乳房切除手術(胸筋温存乳房切除術)」があります。がんの状態によっては、手術前に薬物療法を行うこともあります。病変が小さければ、放射線療法を併用することで、胸の膨らみを残す手術が可能です。手術後には病理診断を行い、術後の治療計画を検討します。
きれいに治すことを大切に~乳房再建について~
乳房の再建を希望する方には、がんの状態や病期に応じて、インプラント(人工乳房)による再建だけでなく、自家組織を用いた再建も行っています。乳腺科と形成外科の医師が連携し、乳がん切除手術と乳房再建を1回の手術で行う一次一期再建から、乳房切除後に改めて再建を行う二次二期再建まであらゆるパターンを用意し、患者さんのニーズに応じた乳房再建を実施しています。
近年、浸潤部が小さく乳管内進展が広範囲に及んでいるものは、早期のがんであっても積極的に乳房切除や乳腺全切除を勧め、一期に乳房の再建を行うケースが増加しています。乳房切除を行い、乳房再建を行う方法は、放射線を併用する温存手術に比べ整容性に優れています。再建術は、厳密にはがん治療の一部ではありませんが、保険診療の範囲内で行えるようになってきました。進行した症例にも乳房再建は可能です。
欠かせない“病診連携”~術後のフォローアップ~
乳がんは、ほかのがんと比べると悪性度が低いため、転移再発がゆっくり進むと、5年を過ぎてから再発が見つかることもまれにあります。それゆえ、乳がんの場合には術後10年間の経過観察が必要といわれています。当院では、患者さんお一人お一人に「私の通院手帖」を作成し、かかりつけ医と当院が情報共有し協力しながら術後の患者さんをサポートしています。
“自分らしく生きる”をサポート
病気を治すだけでなく、元気に美しく自分らしく生きていただく手助けが少しでもできるよう、形成外科医や看護師、薬剤師、理学療法士など多職種が関わり、患者さんを支えていきます。
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