認知症マフを知っていますか?身体拘束の軽減を目指して
2026.02.09
認知症マフってなに?
マフとは柔らかい筒状の防寒具のこと。内部には毛糸で編まれた小さいボールが入っています。
認知症患者さんのケアの現場では、点滴のチューブを抜いてしまわれたり、手もとが落ち着かずそわそわされていたりという事があります。そんな患者さんには一般的に医療用のミトンが使用されます。ですが、手の動きが制限されて拘束されているように感じたり、意思を手で伝えることが難しくなるなど、患者さんのストレスにつながることもあります。
そんな時に活躍するのが認知症マフです。認知症マフは手を温めるだけでなく、触覚や感覚で脳を刺激するケアアイテムです。
認知症マフの効果
不安の軽減
毛糸の柔らかさや温かさに触れ、患者さんの気持ちが落ち着きやすくなります。
手指の刺激による脳の活性化
毛糸の手ざわりや質感、マフのカラフルな色味に触れることで脳が刺激されます。
コミュニケーションのきっかけに
編み物や裁縫、子育てなど、過去の経験がマフによって思い出されることで、会話が生まれるなど、ケアする側にとっても患者さんを深く知るきっかけになります。
認知症マフが患者さんの心をあたためる
認知症マフを導入したところ、実際にミトン拘束を解除することができた患者さんもいます。
また、患者さんはもちろん患者さんのご家族の心理的負担軽減にもつながり、マフを通して患者さんとそのご家族と信頼関係を築くことができたという声も現場からあがっています。
マフのやわらかな手触りに触れることで患者さんの心が落ち着き、その変化はご家族の安心にもつながりました。
不安や葛藤を抱えていたご家族の表情が和らぎ、マフをきっかけに自然な会話や笑顔が生まれています。
実際にマフを編んでみよう!
準備するもの ①もこもこ毛糸3玉 ②かぎ針12号 ③閉じ針 ④はさみ
①かぎ針でくさり編みを30㎝編む
②細編み、長編みそれぞれ編み始める
③1段目を引き抜いて、輪にします
④2段目を編んでいく
⑤3段目から同様に30㎝編んでいく
⑥1玉編み切り、新しい糸に変えます
⑦30㎝まで編んだら、引き抜きます
⑧糸しまつをする
⑨飾りをしっかり取付・縫い付けてできあがり!
患者さんに寄り添った認知症ケアを
洛和会音羽リハビリテーション病院では、身体拘束ゼロを目指し、認知症マフを活用したケアを実践しています。
また、当院では看護師や薬剤師、音楽療法士など多職種による認知症ケアチーム「奏でるチーム」が活躍しています。患者さん・周囲の方に寄り添い、人の尊厳を守り続けたいという思いを基に、一人一人の個性に応じた支援や取り組みを行っています。
「奏でるチーム」が考えるHARMONY CAREの思い
- Healing:癒やしと癒やしの場の創造
- Autonomy:できる力に目を向けて
- Respect:敬意と尊厳
- Mediation:橋渡し
- Overall:すべての人ですべての人々に
- Narrative:物語りに寄り添って
- Yourselves:主役はあなた、その人らしさ、個別性のあるケアの展開
昨年12月の認知症ケア研究会では、看護師がマフ作りに挑戦!
月に1回、認知症の患者さんのケアについて多職種で学び合うことを目的に、認知症ケア研究会を開催しています。多職種で事例を検討し、認知症の患者さん一人一人に寄り添ったケアのあり方を見つめ、日々の業務に生かしています。
今後も患者さんにとってより良い治療・ケアができるよう尽力してまいります。
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