私たちの健康は、日々の食事と密接に結びついています。 バランスの取れた食事は体を内側から整え、病気を遠ざける力になります。 では、もし、かかりつけの病院が、野菜を育て始めたらどうでしょう。 そこにあるのは、看護師の熱いまなざしによって育まれる、地域全体の健康を願う物語です。
京都市山科区に拠点を置く医療法人である洛和会ヘルスケアシステムが、 農業事業「らくの助ファーム」をスタートし、トマトを栽培しています。この記事では、医療と農業という異色のタッグがなぜ生まれたのか、 その驚くべき4つのポイントを解き明かしていきます。
【驚きPOINT1】医療法人が農業に取り組む理由
左:木村喜代一さん 右:洛和会音羽病院 看護師・大鐘由晴
耕作されなくなった土地に、再び命を吹き込む
「もうしゃがめんようになってな。」そう話すのは、木村喜代一さん(75)。明治時代から続く農家に生まれ、40年以上も畑を耕してきましたが、年齢を重ね、脚の不調で畑の管理が難しくなったのだそう。彼のように、高齢化や担い手不足で手入れが行き届かなくなった「耕作放棄地」は、山科地域が抱える静かな課題でした。
「病気を治す」から「病気にならない」へ。原点は「医食同源」の考え方
この課題に光を当てたのが、らくの助ファームです。使われなくなった土地に新たな価値を生み出し、地域の健康づくりにつなげる。その根本には、「病気になってから治療するのではなく、そもそも病気になりにくい体をつくる」という予防医療への思いがあります。「安心・安全な食べ物を口にし、体の中から健康を整えること」。 この「医食同源」の考え方こそが、プロジェクトの原点です。
【驚きPOINT2】主役はケアのプロフェッショナル
患者からトマトへ。命と向き合う「観察の目」
このユニークな取り組みの中心にいるのは、栽培管理責任者の大鐘由晴(おおがね よしはる)。彼のキャリアは、20年以上にわたり、人の命と向き合う最前線の連続でした。緊張感が続くICU(集中治療室)、共感と寄り添いが求められる認知症ケア病棟を経験し、介護福祉士とケアマネジャーの資格を持ちます。まさに医療と介護のプロフェッショナルです。
今、彼はその情熱を新たな「いのち」に向けています。それが、トマトです。 医療現場で培った、わずかな変化も見逃さない「観察の目」は、トマト栽培の現場でも変わりません。葉の色や成長の違いに気づき、先回りして対応する。そのまなざしは、人の命と向き合ってきた半生そのものです。
「トマトも人と同じで、ちょっとした変化を見逃さないことが大事なんです」
【驚きPOINT3】スマート農業の導入
土を使わない?ハイテク技術が支える未来の農業
灼熱の太陽の下、汗水たらして土にまみれる――そんな農業のイメージは、一昔前のもの。らくの助ファームは、土を使わないハウスの中で、最先端の「スマート農業」を導入しています。ハウス内の温度や湿度、日照量などをデータに基づいて最適に保つシステムや、栄養分を含んだ培養液で育てる「養液栽培」を活用しています。これにより、天候に左右されることなく、年間を通じて高品質なトマトを安定的に生産できるのです。この先進的な農業技術は、兵庫県神戸市の東馬場農園からの手厚い技術サポートを受けて実現しています。
【驚きPOINT4】地域をつなぐ「未来への種まき」
トマトがつなぐ、地域社会と福祉の新しいカタチ
らくの助ファームは、単にトマトを生産するだけの場所ではありません。地域社会と深くつながり、未来の健康や福祉を育む拠点としての多面的な役割を担っています。
▼地域との共生
らくの助ファームのモットーは地産地消。収穫されたトマトは近隣のスーパーで販売し、新鮮で安心なトマトを地域のみなさまに届けています。
▼職員の健康サポート
職員食堂では、トマトをサラダバーにて提供。日々、医療の最前線で働く職員たちに少しでも“健康を味わう時間”を届けたいという感謝の気持ちが込められています。
▼今後の展開
障がい福祉事業と連携した就労支援(農福連携)や、地域の高齢者や保育園児を招いた収穫体験イベントも計画されており、農業を通じて世代や分野を超えた交流の輪を広げていくことを目指しています。
新しいヘルスケアの可能性
医療の視点で、食を見つめ直す。「らくの助ファーム」は、 地域とともに暮らしの中にある健康に向き合う取り組みです。 健康とは、特別なものではなく、日々の生活の積み重ねにあります。 未来の健康は、病院ではなく、あなたの食卓から始まるのかもしれません。
コチラで買えます
マツヤスーパー: 山科三条店、大宅店、ピア店 、大塚店
アイハート: 西院店
スーパー山田屋: 桃山店
直売所: 洛和会音羽病院 本館西側通路付近(毎週火・金曜日 11:00~13:00) ※収穫状況により変更あり
最新の情報は、らくの助ファーム公式Instagramでご確認ください。
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